- プレイ時間 5時間
- ジャンル 抜きゲー・寝取り・人妻
- エロ度 ★★★★
- 満足度 ★★★★
- えっち回想 21回
- バックログからのシーンジャンプなし
〇概要
パート先で一緒に働く主人公によって、自信がなくて自己肯定感の低い地味眼鏡人妻が人間的に変わっていく話。
〇よかったところ
純愛的寝取り
本作主人公はヒロインが嫌がることは避け、脅しといった非人道的たぐいの行為は一切おこなわない。そして、肉体関係をもつ前から恋愛感情抜きで、職場の先輩としてヒロインの面倒をよくみており、基本的に良い人なのである。主人公が好きになった人がたまたま人妻というだけで、寝取りだけど純愛の側面が強い。だから主人公に好感が持てるし、主人公の真剣さが伝わってくる。
私の感覚では寝取りは凌辱的寝取りと純愛的寝取りの2種類があると思う。前者はヒロインの肉体に興味がわいたからつまみ食い間隔で手を出すタイプや、ヒロインの夫や彼氏またはヒロイン自身に恨みがあって、その恨みを解消するために手を出すタイプなど、ヒロインが人間的に好きなわけではないけど寝取りに走るタイプを指す。反対に後者は一人の人間としてヒロインのことが好きだけどヒロインには彼氏・夫がいて、でもあきらめきれないから寝取りに走るタイプを指す。本作は後者に属する。
このタイプの寝取りの良いところは、寝取ったヒロインを独占するところ、間違っても他人とHさせたり、飽きたからと言って捨てたりしないところだ。私の体感では前者タイプの寝取りや寝取られ作品が巷では多い。前者のタイプのほうが過激なHシーンにできるのでエロさ的には前者タイプの方が有利であるし、実際私は前者タイプのエロが好きだ。どっちにも良いところ・悪いところはある。
主人公との肉体関係によって良い意味が変わっていくヒロイン
本作の良いところはこの部分に凝縮されている。体験版をプレイすればわかる通り、本作のヒロインは自分に自信が持てず、常におどおどビクビクして「すみません」が口癖の、異常なくらい奥手のキャラである。
- 主人公に押し倒されて愛撫されても「主人公がレ〇プのような行為に走ってしまったのは私のせいだ」と責任を感じて主人公に謝る。
- 明らかに理不尽なことを夫から言われても口答えせずに「自分が貪臭いからだ」と思って従う。
- 昔からなんでもできる妹を比較されたせいで妹に対して劣等感を持っており、自分に自信が持てない。
このように夫・妹に対して異常な劣等感を持っていて、「自分なんか・・・」と自身を卑下していたヒロインが、主人公から純粋に求められ続けることで、徐々に自分に自信をもてるようになって、その結果どんどん生き生きしていく様子が心地よい。寝取り作品とは思えないほど、素直にイイ話だなーと思えた。
ヒロインはその性格から非常に献身的であり、主人公に求められたら応えられるように懸命に主人公に尽くしてくれる。Hを重ねていくうちに、ヒロインはご奉仕によって喜んでいる主人公を見て、主人公を射精させることができたことに満足感を覚え、女としての自信を取り戻していく。そして、Hしている最中に、主人公はヒロインのことを好き好き連呼するので、同時に自己肯定感も高めていく。確かにみんなからよくされなくても、たった一人、たった一人でも自分のことを本気で好きになって愛してくれると、なんか自信がわいてくるっていうのはわかる。それに、自分を卑下していると、自分を愛してくれている人も卑下していることになるので、他人から愛されると自分も愛するようになるのは自然だと思う。
そうやって、主人公とのHと主人公とのラブラブラブ生活を経て、ヒロインはついに夫・妹に対しての劣等感も乗り越えていく。
まず妹に対して。ひょんなことから主人公と妹が知り合い同士になり、妹は主人公に興味をもったという趣旨の発言をヒロインにする。経験上、ヒロインが好きになった男は妹に会うとヒロインに興味がなくなって妹の話しかしなくなったらしい。そのような事態になったら今までは自分の恋愛を諦めていたようだが、自信をつけたヒロインは主人公を絶対に妹に取られたくないと、これまで劣等感全開で頭が上がらなかった妹に対抗意識を燃やせるまでになった。
また、妹からパートをやめるように言われる場面がある。今までのヒロインだったら妹の言うことに逆らわなかったが、自信をつけたヒロインはしっかりと自分の意見とその根拠を述べて、妹に反抗できるまでになった。
次に夫に対して。帰宅が遅くなるから夕ご飯はいらないと前日に言っていたにも関わらず、急に早く帰宅できるようになってヒロインが家にいないことに対して夫が怒る場面がある。今までのヒロインだったら、「自分が貪くさいからだ」と責任を感じていたが、自信をつけたヒロインは「言っていたことと違うから諦めて。私には私の都合がある」と夫に対してきっぱり反論できるまでになった。
寝取りものには、人妻を自分色の染め直していく快感がある。正常位しか知らない人妻が淫乱になるという変化が定番である。もちろん本作でもHな側面でヒロインが変わっていく様子はしっかり描かれている。しかし、本作のように、人間的に良い方向に変わっていくヒロインを描いている作品はそうそうないように思う。
誰とくっつこうがヒロインには幸せになってほしいと私は願う。自分に自信が持てるようになった結果、今まであきらめていた夢の職業に就き、明らかに前の夫との生活よりも幸せになって生き生きしているヒロインが描かれている本作のエンディングは、寝取りのあるべき姿であり、非常に後味がよくて好きだ。(ちなみに2つあるエンディングのうち、もう一方はよくあるタイプの寝取りエンディング)
Hになっていくヒロイン
寝取りの醍醐味、他人の人妻を自分色に染め直すこと。最初は定番通り正常位しか知らなかったヒロインだが、自分から積極的に騎乗位で腰を振るようになり、主人公を興奮させるために「おち〇ちん」や「種付けしてください」等淫語を発するようになり、普段の服装の露出も増える。また、主人公に軽蔑される&隣の住人に聞かれるのが恥ずかしいという理由で、最初は喘ぎ声を必死に我慢していたヒロインだが、最後の方にはそんな羞恥心はなくなり、隣人がいようが主人公の部屋で喘ぎ声をあげるまでに変わる。
特に、これまでは一度も自分からHを持ち掛けようとはしなかったヒロインが、主人公を妹に取られまいとする嫉妬心から、自分から主人公をHに誘い、頼まんでもいないのに自分から積極的にバキュームフェラをして、主人公に喜んでほしいと頼んでもいないのに精液を飲み込み、自分から積極的に騎乗位で腰をふるシーンは普段とのギャップでエロい。
一晩中H・散乱するゴム
主人公の部屋と夫婦の部屋で2回ある。1回目のH→複数回Hの後にシーンジャンプし、間の細かい情事を描かないこの手法は、
- ベッドの上に散乱する大量のゴム
- 激しいHでずれたと推測されるヒロインの眼鏡
- 束ねていた髪の毛がほどける様子
- 1回目のHのときと比べて部屋が薄暗くなる
などの描写から一晩中はげしいHをしたことを示唆し、直接的に描かなくてもエロさを表現できる。私はこの手法がとても好きだ。特にずれる眼鏡やほどける髪の毛はヒロインの容姿を活かしきれていて良い。
1つ目の主人公の部屋でのHは、物語の立ち位置的にヒロインが主人公を受け入れて肉体関係を始める重要なターニングポイントになっており、ヒロインが主人公に堕ちるシーン、つまり見どころである。主人公は自分の魅力がないと卑下するヒロインに魅力ある女性なのだとわからせるために、何度も激しくヒロインとHをして、自分がこれほどヒロインのことを好きなのだと身体で証明する。感じて蕩けている顔を主人公に見られることを恥ずかしがって顔を隠しているヒロインはエロい。
2回目の夫婦の部屋でのHは、寝取り寝取られ定番のシチュエーション。1回目のHではネグリジェを着ていたのに、複数回Hしたあとにシーンジャンプするとネグリジェを脱いでいて、ベッドの上に脱いだネグリジェが散乱しているところがまた良い。最初から全裸Hでは味わえないエロさだし、着衣Hと全裸Hがシナジーを生み出していると思う。一晩中Hした疲れでまともにしゃべることができず、獣のような喘ぎ声をあげることしかできないところがエロい。
托卵エンド
こちらのエンディングはTHE寝取り感が漂う定番のやつ。主人公とのHを通して自信をつけていくのは同じだけど、結局人間的に自立はできなくて、主人公への依存が加速してしまう。その結果、主人公に捨てられないために何でもすると言い出して、離婚はしないまま主人公のために托卵する。そして、夫が海外主張の間、主人公の要望通りに金髪にまで変える。片方のエンディングに比べるとバッドエンドっぽい。しかし、エロ方面はこっちのルートのほうが強め。主人公に興奮してもらえるように、頼んでもいないのにエロ下着を買って着て、ま〇ぐり返しで種付けを懇願するシーン・夫とのHを比較して主人公のほうが良いと発言するシーンはかなりエロい。もう片方のルートではまずやりそうにない。
中出しHのハードルが高い
人妻ヒロインにとって中出しのハードルは本来高いものだが、ゴムありHや外出しだとやはりエロさが足りないので、人妻ヒロインと言えど中出しHの比率は高くなりがちだと私の感覚では思う。しかし、本作は中出しに対しての態度は徹底しており、各ルート最後のほうしか中出しHがない。その結果、全21回あるHシーンのうち中出しHは6回しかなく、人妻の貞操観念のかたさ・中出しの特別感が表現できている。
〇よくなかったところ
断面図の使い方
私は挿入断面図がけっこう好きなので、挿入断面図を使っていること自体は良いと思う。ただ、なぜかゴムありHの時に挿入断面図を使って、生Hの時には挿入断面図を使っていない。ご丁寧にゴムの先に精液がたまる差分CGを挿入断面図に使っているのに、生Hの時の中出しを挿入断面図を使って描写しない矛盾。ふつう逆ではないのか・・・
夫がクズすぎる
自分の収入が下がったから、その分の補填として一度も働いたことがない妻をパートに出したにも関わらず、家事はすべて妻に押し付け。おまけに理不尽なことを言って日常的に罵倒する。新聞紙の上に置いておいた仕事の書類を間違って妻が捨てたら、激怒して財布もスマホも持たせずに家から妻を締め出す。亭主関白ってレベルじゃねぇぞおい。後半、主人公と夫のどちらを取るべきかヒロインが本気で悩むシーンがあるのだが、プレイヤー目線だと最後まで夫と主人公で葛藤しているヒロインの気持ちが全然わからない。やはり「金」なんですかね。人間的に夫がクズすぎて、寝取りの快感が全然ない。こんなの捨てられて当たり前体操だろ。
〇総評
タイトル名の通りに作品自体もけっこう地味で、ガツンとくるようなインパクトはないものの、プレイし終わって振り返るとじわじわ良さが染みてくるような作品。主人公によってヒロインが人間的に良い方向に変わっていく様子が非常に印象に残り、この作品の後味を良くしている。純愛的寝取りが好きな人にはオススメ。寝取りの派手なエロが好きな人には退屈に感じるでしょう。
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